1 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 21:39:13.37 ID:
AoLI9kgOO
男が住んでいるアパートの一室には、壁に穴が開いていた。
特に疑問には思わなかったが、どうも穴から視線を感じる……
不審に思った男は、壁の穴を恐る恐る覗いてみた。しかし穴の向こう赤くぼやけていてよくわからない
結局、ポスターでも貼ってあるのだと考え、男は納得した。
しかし、それでもやはり視線を感じる……
気になった男は、大家に尋ねてみた。
男「俺の隣に、誰か住んでますか?」
大家「あぁ、病気で目が赤い女の人が住んどるよ」
4 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 21:44:08.70 ID:
AoLI9kgOO
男はそれを聞いてわかってしまった。
あの穴から、隣の住人はずっとこちらを覗いていたのだ。
男は文句の一つでも言ってやろうと隣の部屋に行ってみることにした。
ピンポーン
男「あのー…」
返事は無い。いないのだろうか?
男はドアの覗き窓から中の様子をうかがってみることにした。
男「…まぁ、先に覗いたのはそっち側なんだし大丈夫だよな」
男が覗き窓を覗くと…赤い色だけが見えた。
6 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 21:47:52.49 ID:
AoLI9kgOO
男「……いるじゃないか」
赤い色、それは隣の住人の瞳の色
つまり、そいつは今、覗き窓からこちらを覗いてることになる。
男「おい!いるんだろ!わかってるんだぞ!」
返事はない
男は少し腹が立ち、ドアを蹴飛ばした。
ドンッ
「…ひゃ…す…すいません……」
中から声が聞こえた
7 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 21:51:55.78 ID:
AoLI9kgOO
いかにも気の弱そう声、という感じだった。
覗き魔とはそういうものなんだろうか?
男「いるならドアを開けてくれ。言いたいことがあるんだ。」
女「…どうしても開けなきゃだめですか?」
そんな女の態度に、また腹が立ち再度ドアを蹴る。
女「ひゃぁ…あ…あけます!今あけます!」
8 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 21:54:56.06 ID:
AoLI9kgOO
女「…でも、少し待ってください。」
男「わかった。でも早くしろよ。」
そう言うと、中でドタバタとする音が聞こえた。
何を用意しているのだろうか……
……まさか、刃物?
覗きをするキチガイ女だ、ありうる。
女「今開けます」
男「ま、待っ…」
ガチャ
ドアが開く
12 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 22:00:38.79 ID:
AoLI9kgOO
女が姿を表した……刃物は持ってないようだ。
良かった……
中にいたのは、白い髪の女の子だった。
男「人様を出迎えるのにサングラスか?」
女「す…すいません…私…その…」
忘れていた、彼女は病気で目が赤いんだった。
こればかりは俺の方が悪い。
男「あ…ごめん…病気だったんだよね」
女「いえ…正確には病気では無いんですが…」
男「そうなの?」
14 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 22:05:49.54 ID:
AoLI9kgOO
彼女の話しを聞くと、
生れつき色素が無い。
いわゆるアルビノという奴らしい。
女「はい、白いウサギさんの目が赤いのと同じやつです」
…らしい
男「そうか、それは大へ……ってそんな話をするために来たんじゃない!」
女「ひっ…すいません…」
危ないところだった。
今回は覗きの件をとっちめるために来たのだ。忘れる所だった。
17 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 22:10:04.19 ID:
AoLI9kgOO
男「アルビノとか目が赤いのとかは関係ない!
あの穴から俺の部屋を覗いてただろ!」
女「………」
そういうと彼女は黙ってしまった。
男「一つだけ答えてくれ…覗いたのか?」
そういうと、彼女は黙ったまま頷いた。
心なしか、少し震えているみたいだ。
19 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 22:13:34.66 ID:
AoLI9kgOO
もしかして怖いのか?
なんだか今にも泣きだしそうだ。女の子を泣かすのは趣味じゃない。
男「…あー、別にそこまで怒ってないから気にするな。
そうだな…ちょっと気持ち悪かったから、どんな奴か確かめに来たようなもんだから。」
女「…す…すいません…すいません…」
彼女はひたすら頭を下た。
21 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 22:18:54.27 ID:
AoLI9kgOO
なんだか冷めてしまった。
こんな女の子を虐めても何にもならない。
男「もういいよ。俺も、あの穴が気になって覗いちゃったし。
まぁある意味お互い様だしな。」
女「…本当にすいませんでした」
男「だから、もう謝らなくてもいいって。」
女「……はい」
なんというか、その体の特徴もあいまって、うさぎのような女の子だ。
俺の第一印象はそれだった。
22 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 22:24:32.30 ID:zFDh4Kra0
良スレ
23 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 22:25:48.89 ID:
AoLI9kgOO
その日は、それで帰ることにした。
帰り際に人参を渡された。なんでも実家が農家らしい。
そこでもうさぎを連想して笑いそうになってしまう。
部屋にもどり、段ボール一杯の人参をどうしようか困り果てていると、
ふと壁の穴のことが気になった。
穴を隠してあるポスターをはがし、
試しに声をかけてみる。
男「おい、覗くな。」
女「…すいません」
……なんで、まだ覗いているんだよ。
30 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 22:33:47.76 ID:
AoLI9kgOO
女「…すいません。気になってしまって。」
男「だからって、覗くなって言われてすぐ覗くとかさぁ……」
女「…すいません」
だが、不思議と不快感はなかった。
……いや、不思議というか理由はわかってるんだ。
彼女が…その…なんていうか……
かわいかったんだ
32 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 22:35:40.52 ID:+jaIKp8S0
わっふるわっふる
33 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 22:37:04.42 ID:53pHutnVO
wktk
42 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 22:47:44.77 ID:
AoLI9kgOO
最初は、どんなサイコ女かと、すこしビクビクしてたんだけど
実際会ってみると、少し気が弱いってくらいの普通の女の子だった。
まぁ…いまだに覗きはしてるみたいだが…
いまでは暇なときは穴に向かって話しかけるのが俺の日課だ。
男「あのさぁ」
女「はい、なんですか?」
男「俺自炊とかあまりしてないんだよね。
あの人参、どうしようか困っちゃって。」
その日から、彼女は毎晩人参料理を持ってきた。
44 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 22:49:37.42 ID:AI9aQKUc0
健気よのぉ…
45 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 22:51:26.77 ID:
AoLI9kgOO
実家が農家というだけあって、たまに趣向をこらした料理をもってくる。
俺的に人参ゼリーはかなりヒットして
彼女にそれを伝えるとほぼ毎日人参ゼリーがデザートにつくようになった。
52 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[SAGE] 投稿日:2008/07/27(日) 23:07:58.99 ID:KT29kx5L0
実際、赤い目の人なんているの?
53 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 23:09:12.22 ID:e4Kb+qu30
居るよ
59 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/27(日) 23:20:28.66 ID:35c9hZEz0
アルビノってのは色素がないから、眼も血の赤で赤く見えるんだったと思う
まあ、実際そんな奴見かけてもいじめてやるなよ。
61 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/07/27(日) 23:23:01.22 ID:19s1cLHtO
不謹慎つうか失礼だけど昔見たアルビノ少女は神秘的だった
101 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 00:34:27.97 ID:
WxcP0Q4+O
今日は珍しいものを見た。
隣人の外出風景である。
男「あ、外出?」
女「あ、はい。ちょっとお買い物に」
彼女のいでたちは少し異様であった。
長袖の上着にたけの長いスカート
大きな帽子、そしてサングラス。
最後のサングラスが不審者のオーラを醸し出している。
男「その格好…何?」
聞かずにはいられない。
女「あの、日の光が…」
そういえば、アルビノのには色素がない。
紫外線、というものに対して何の対抗策もないのだ。
他にも彼女は日焼け止めクリーム等も愛用しているらしい。
106 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 00:45:07.86 ID:
WxcP0Q4+O
他にも日傘なども彼女にとっては必需品だ。
女「今日は、くもりなので」
日差しが強い日は外出を控えているようだ。
アルビノというのも大変みたいだな。
男「何を買いに行くんだ?」
女「えっと…日焼け止めクリームのかえと…
ご飯の材料…そして……人参…」
人参はご飯の材料とは別らしい、
というか、実家から人参が箱で送られてくるのに
それでも足りないのだろうか?
少し異常だ
107 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 00:45:51.93 ID:CS2H3PtG0
どんだけ人参好きなんだよwwwww
108 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 00:46:34.25 ID:3XPwdc5F0
人参人参
109 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 00:47:47.62 ID:HDBCtiuwO
夜な夜な下の口で人参を貪…
112 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 00:53:16.95 ID:
WxcP0Q4+O
俺はひそかに、彼女のことを「うさぎちゃん」と呼ぶことにした。
そのいでたちはもちろん、妙にビクビクしたところや
人参が大好きなところ
本当はうさぎが人に化けたものでは、などとすら思ってしまう。
114 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 00:58:24.66 ID:P10WpKt/0
これは何デレなんだ
115 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 01:00:16.84 ID:By0LzzjgO
>>114
うさデレ?
120 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 01:12:29.84 ID:
WxcP0Q4+O
うさぎちゃんの朝は早い。
俺が布団の中にいるときに、既に隣からは物音が聞こえてくる。
その音が謎か心地よい。
実家にいたころに母親が朝ご飯の用意をしてくれていた時のような
そんな感覚だ。
123 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 01:15:14.19 ID:
WxcP0Q4+O
今はポスターを剥がしている。
うさぎちゃんとの触れ合いが楽しみだからである。
たまにこちらから覗いてみるのだが
いつも真っ赤な色しか見えない。
うさぎちゃんもいつも暇なようだ。
126 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 01:17:48.94 ID:
WxcP0Q4+O
ためしに彼女を「うさぎちゃん」と呼んでみることにした。
穴ごしに「うさぎちゃん」と呼び掛けてみた。
返事は無かった。気分を害したのだろうか?
129 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 01:27:00.47 ID:
WxcP0Q4+O
むしょうに、うさぎちゃんに会いたくなった。
うさぎちゃんに話しかける。
男「今から会いたいんだけど」
女「今から…ですか?」
男「君の部屋に行ってもいいかな?」
女「あ…え……」
流石に女の子の部屋に急にいくのはマズかったか。
その日は素直に諦めることにした
130 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 01:29:56.46 ID:
WxcP0Q4+O
穴に名前をつけた。
命名「うさぎの穴」
我ながら良い名前だと思う。
さて、うさぎちゃんはいるかな?
うん、赤い。うさぎちゃんは今日も覗きに熱心な様子だ。
131 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/07/28(月) 01:30:44.02 ID:SR9WmB0O0
相手が大体のぞいてるってことは
セルフバーニング中ももちろんのぞかれてるってことだよな
133 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 01:31:47.46 ID:
WxcP0Q4+O
うさぎちゃんと何処かにいこう。急にそう思い付く。
曇り、または雨の日がいいな。
今週末の天気が崩れますように、
ちょっとおかしな願掛けをした。
136 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 01:38:50.03 ID:
WxcP0Q4+O
男「ねぇ、今度どこかに行こうよ。」
女「お外に…ですか?」
うさぎちゃんは乗り気ではないらしい、
まぁ、体のこともあるし当たり前か。
男「雲ってる日にするからさ、
屋内……そうだ映画とかどう?」
女「映画…ですか。ずっと見てないです。」
うさぎちゃんにとって外出自体が稀だ。
映画なんて生まれてからも数えたくらいしか行ってないんじゃないかな?
男「だめ?行きたくない?」
女「いえ…ただ男さんにご迷惑をおかけするんじゃないかと…」
お、名前を覚えてくれたんだ。
こちらから名乗ってもいないのに、
嬉しいな。
わざわざ表札で確認してくれたのかな?
137 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 01:41:41.55 ID:
WxcP0Q4+O
たしかに、よく考えたら夜に出かければ良かったらのかもしれない。
その方がうさぎちゃんの負担も減るし。
でも、その時の俺はうさぎちゃんと遊びたい一心でそこまで頭が回らなかったんだろう。
当日は、とても良い天気だった。
とても良い曇り空だ。
138 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 01:43:27.59 ID:
WxcP0Q4+O
映画館は空いていた、
俺とうさぎちゃん以外には、ちらほらとしか客はおらず、
とても快適な映画鑑賞となった。
139 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 01:46:06.07 ID:
WxcP0Q4+O
映画のストーリーは、ベタな恋愛ものだった。
ただ、恋人の男と女は最後に二人とも死んでしまう。
どうせなら、ハッピーエンドの映画にすればよかった。
あと、ポップコーンを、食べるうさぎちゃんが可愛かった。
141 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 01:46:53.83 ID:LQm5Kcpg0
いいなー
143 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 01:47:53.00 ID:D6f7/McC0
壁から覗いてるの本物の兎じゃね
144 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 01:48:39.74 ID:
WxcP0Q4+O
小腹が減ったので、帰りにファーストフード店に寄った。
うさぎちゃんは肉が苦手らしくサラダを注文していた
ただ、人参が入っているのが無くてすこししょげているようだった。
なんだが可哀相だ。
147 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 01:53:01.93 ID:
WxcP0Q4+O
その後、ショッピングと洒落込んだことをした。
正直、俺には似合わない。
うさぎちゃんが何かをじっと見ていた。
赤い石のペンダントだ。
ここは男の見せ所だ。さりげなくプレゼントをする。
たいして高いものでもなかったのでたいしたことはなかった。
それでも喜ぶうさぎちゃん。
その笑顔が見れて俺も幸せな気持ちになれた。
148 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 01:55:03.27 ID:
WxcP0Q4+O
うさぎちゃんの真っ白な肌に、そのペンダントは良く似合った。
どこかうさぎちゃんの瞳に似た、その石は、
うさぎちゃんのため、作られたものではないかというほど良く似合う。
ああ…うさぎちゃん可愛いようさぎちゃん
150 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 01:58:29.08 ID:5tJyZCoN0
男がおかしくなってきたなw
151 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 01:59:04.79 ID:
WxcP0Q4+O
日が暮れてきた。
日が完全に落ちると、うさぎちゃんは日傘を畳み、
帽子をとった。
白い透き通るような髪が風に揺れる。
だが、サングラスだけは取る様子はない。
男「サングラスはとらないの?暗くて見えないんじゃない?」
女「…あ、サングラスは」
なぜとらないのだろう?
女「赤いんで……」
うさぎちゃんはそれだけ言って歩き始めた。
154 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 02:03:58.71 ID:
WxcP0Q4+O
うさぎちゃんを呼び止める。
男「やっぱりサングラスは取ったほうがいいよ。」
ひょいっとうさぎちゃんのサングラスをはずしてあげた。
女「あ…返して…」
男「なんで?それにあんまり似合ってないよ。
たぶん日差し避けのサングラスだったんだろうけど、今は夜だしはずしたほうがいい。」
女「…でも、こんな真っ赤な目だし。」
うさぎちゃんは、自分の目にコンプレックスを抱えているらしい、
おそらく目だけでなく白い髪や肌にもだろうが。
目のそれは一番強いようだ。
155 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 02:08:15.46 ID:
WxcP0Q4+O
男「でも、とっても綺麗だよ。」
うさぎちゃんの赤い目は本当に綺麗だった。
まるで宝石のような……
たとえるとルビーとかかな?
一番似てるのはさっきの石だが。
女「…気味が悪くないですか?」
気味が悪い?そんなわけは無い。
158 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 02:11:52.85 ID:
WxcP0Q4+O
帰り道は傘や帽子、そしてサングラス。
邪魔な物は全部はずして帰った。
ちなみに、ちゃんとうさぎちゃんの
余計な手荷物は俺が持っている。
月明かりに照らされるうさぎちゃんの姿は幻想的だった。
夜になってから晴れて本当に良かったと思う。
うさぎちゃんのこんな姿が見られたのだから。
159 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 02:14:53.35 ID:
WxcP0Q4+O
うさぎちゃんを部屋まで送る。
といってもお隣りさんなのだが。
女「今日はありがとうございました。」
男「いや、こっちこそ無理言って付き合わせちゃってごめん」
女「そんな……私は楽しかったですよ。」
男「俺も凄く楽しかったよ。」
うさぎちゃんとの初デートはこんな感じで終わった。
162 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 02:19:22.73 ID:
WxcP0Q4+O
寝る前にうさぎちゃんと少し話をした。
件のうさぎの穴を使ってだ。
しばらくして、うさぎちゃんが眠くなってきたらしい。
男「そう、遅くまで付き合わせちゃってごめん」
女「いえ、今日は本当に楽しかったです。」
男「じゃあお休み。」
女「はい、お休みなさい。」
俺はその後も眠れなかった。
うさぎちゃんとのデートを思い出し、なんとも表現できないような気持ちになっていたのだ。
166 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 02:23:17.18 ID:
WxcP0Q4+O
悪いと思いながらもうさぎちゃんを見たくなってしまった。
寝るまえに一目だけ。
つい、うさぎの穴を覗いてしまう。
真っ暗だった。うさぎちゃんはもう寝てしまったようだ。
どうにか、体勢を変え、こちらの部屋の光でうさぎちゃんを見ようとする。
男「…み…えた」
見えたのは赤い色だった……
…………うさぎちゃん?
197 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 09:57:08.25 ID:
WxcP0Q4+O
夢を見た
うさぎの国の夢だ
そこいらにピーターラビットのような、
上着だけ羽織ったうさぎ達がいる。
お姫様はもちろん、うさぎちゃんだ。
白いドレスが良く似合っている。
だが、俺が近づくと
うさぎ達はみんな逃げてしまう。
うさぎちゃんに話しかけようとすると、うさぎちゃんも逃げてしまった。
もう、うさぎちゃんに会えないような気がした。
198 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 10:01:58.26 ID:
WxcP0Q4+O
昨日の赤い目はなんだったんだろうか。
順当に考えるとうさぎちゃんなのだろうが、
だが、うさぎちゃんは先に寝たはずだ。
なにより、あの目は
いつも見ているうさぎちゃんの目ではでは無い気がした。
じゃあ、誰なんだ?
うさぎの穴から覗いていたやつは誰なんだ?
199 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 10:06:21.74 ID:
WxcP0Q4+O
うさぎちゃんに声をかけてみる。
男「起きてる?」
女「はい、起きてますよ。」
まぁ、うさぎちゃんは俺よりずっと早起きなので、
起きてるのは当たり前なのだが。
でも、うさぎちゃんの声を聞いて安心できた。
昨晩の謎の目や、夢でのこともあり。なんだがそわそわしていたのだが、
それも全部、うさぎちゃんの声を聞いて吹き飛んでしまった。
うさぎちゃんは偉大だ。
202 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 10:12:37.59 ID:
WxcP0Q4+O
その日もうさぎちゃんは晩御飯を作ってきてくれた。
今日は少し勇気を出してみる。
男「なんなら一緒に食べない?」
女「え?一緒に…ですか?」
うさぎちゃんとも大分打ち解けたはずだ……
この前なんてデート(俺が一方的にそう思ってるだけだが)だってしたんだ……
もう俺のことを信用してくれてるだろうか?
女「…お邪魔しちゃっていいんですか?」
問題なんてあるわけない。
203 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 10:21:15.56 ID:
WxcP0Q4+O
その日はカレーを持ってきてくれた。
別にうさぎちゃんの料理が、毎日人参づくしというわけではない。
今日みたいな日もある。
ただ、人参の量はやはり多い。
これは結婚相手は人参嫌いでは駄目だな、と思う。
まぁ、他の人にうさぎちゃんを渡したりはしないんだが、
女「はい、どうぞ。」
男「ありがとう。」
わざわざ、うちのキッチンでカレーを温めなおしてくれた。
本当に気の利くいい娘だ。
結婚相手も幸せだろう。
男「誰にも渡さないけどね」
女「…はい?
大丈夫ですよ。お代わりならまだありますから。」
思ったことが口に出てしまった。
うさぎちゃんには、カレーを誰にも渡さないと伝わってしまったらしい。
食い意地のはったやつだと思われないか心配だ。
206 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 10:29:04.40 ID:
WxcP0Q4+O
食器のあと片付けは俺がやると言ったのだが、
うさぎちゃんも中々頑固で引いてくれない。
男「じゃあ、一緒に洗おうか。」
その提案でうさぎちゃんも妥協してくれた。
何ていうか、こう二人で洗い物をしてると新婚さんみたいだ。
そんなことを考えていると、自然と顔がにやけてくる。
おそらく気持ち悪いはずだ。
だが、うさぎちゃんは、「何か良いことでもあったんですか?」
と笑顔で返してくれる。
良いことならあった。
うさぎちゃんと出会えたことだ。
209 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 10:46:30.53 ID:
WxcP0Q4+O
今日は、人参ゼリーが無かったので、
俺が食後のデザートを用意しようと思ったのだが…
何も無い。
みごとにおやつ系が無かった。
困った俺は……
女「あ、人参ですね」
野菜スティックを出した。
うさぎちゃんは、かなりの人参好きなので
もしかしたら喜んでくれるかもしれない。
いや、流石に野菜スティックは駄目だったか……
女「私、人参大好きなんです。よくわかりましたね。」
うさぎちゃんはそう言って、
いただきますをした後、ポリポリと人参スティックを食べはじめた。
しかも、味噌やマヨネーズといったものにつけずに直でだ。
よっぽど人参が好きらしく、うさぎちゃんの顔から自然と笑みがこぼれてくる。
そんな姿を見た俺も幸せな気持ちになった。
210 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 10:49:20.92 ID:8eIEOW1WO
アルビノが親戚にいるけどさ
不謹慎かもしれないけどかわいくないと悲惨だよ
赤じゃなくて青緑かな
かたっぽ青がすこし強くてオッドアイっぽいんだけど
背は低いし髪は白
白髪ってなかなかきれいにならないからババアは紫にするわけだし
それしてないからひどい
おまけにブスだし当然学校ではいじめられて引きこもるし
そんなんで中卒
日に当たれないからニートやってて生活めちゃめちゃ
そんなんでピザだしにきびびっしり
アルビノ美人なんてまずいないしょ
ただでさえ少ないシロだぜ
でも虹は話し別だけど
215 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 11:30:12.81 ID:HM1inSLL0
結構前にアルビノの大なまずが発見されてニュースになってたな
217 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 11:47:48.78 ID:
WxcP0Q4+O
最近、変なことを考えるようになった。
あの赤い目が見ている世界は俺の見ている世界と同じなのだろうか?
実際のところ、目が赤くても見える色は同じだというのはわかっている。
だが、本当にそうなのだろうか?
あの赤い目の先には全くべつの物が写っているのではないだろうか?
218 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 11:53:26.26 ID:
WxcP0Q4+O
思いの外、好評だった人参スティックを食べ終わり。
うさぎちゃんと俺は少し話をしていた。
そんなとき、ふとうさぎの穴に目がいく。
そういえば、今ならうさぎちゃんもこの部屋にいるのだし
覗けばうさぎちゃんの部屋を見ることができるのではないだろうか?
穴を覗けばいつも、
うさぎちゃんと鉢合わせ状態だったのでうさぎちゃんの部屋には興味がある。
覗いてみよう。
222 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 12:02:27.09 ID:
WxcP0Q4+O
すると、うさぎちゃんが穴の前に立ち塞がる。
女「だ…だめです…」
うさぎちゃんはかなり慌てているようだ。
何か見られてはマズイものでもあるのだろうか?
男「一回だけ……だめ?」
そう言うと、うさぎちゃんは困ったような表情になる。
男「見られたくないものでもあるの?」
うさぎちゃんは無言で頷いた。
女「し…した…」
男「下?」
女「洗濯物…」
ああ、なるほど……
ん?待てよ?さっきの下って?
ま…まさか……下着?
225 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 12:07:58.66 ID:
WxcP0Q4+O
うさぎちゃんの下着……興味がないわけが無い。
これは必ず拝んでおかなければ、
その後、穴のことには一切触れず。うさぎちゃんと談笑を楽しんだ。
男「ごめん、ちょっとトイレ行ってくる」
女「あ、はい」
女の子にトイレと言うのはデリカシーが無かっただろうか?
用を足して戻ると、うさぎちゃんは寝てしまっていた。
いつもなら、うさぎちゃんは既に寝ている時間だ。仕方ないだろう。
俺との会話中もコクリコクリと頭を垂れていた。
起こすのも可哀相だ。タオルケットをかけてそのまま寝かせてやる。
226 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 12:10:34.21 ID:
WxcP0Q4+O
さて…うさぎちゃんも寝たことだし。
俺はうさぎの穴を覗いた。
いつもの光景が見えた。
いつもと変わりない、赤い色だ。
でもうさぎちゃんはここにいる。
こいつは誰だ?
230 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 12:32:11.97 ID:9EYPJHNo0
バックベアード様と予想
330 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 23:39:59.08 ID:
WxcP0Q4+O
うさぎちゃんはこの部屋にいる。
ということは、今この穴を覗いている奴は一体……
可哀相だがうさぎちゃんを起こすことに決めた。
うさぎちゃんの肩を軽く揺さぶる。
女「ふぁ…ふぁい、なんですか?」
眠気まなこのうさぎちゃんも可愛い、
…いや、今はそんな場合では無い。
男「…たしか一人暮らしだよね?」
女「私ですか?そうですけど…」
男「今日、友達がくるとかある?」
女「いえ、お友達なんて男さんだけですから。」
うさぎちゃんは、うつらうつらとしながらも、しっかりと答えてくれた。
つまり、あの部屋にいるのはうさぎちゃんの家族や知り合いではないということだ。
334 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 23:45:01.00 ID:
WxcP0Q4+O
うさぎちゃんは本当に眠そうだった。
男「じゃあ部屋にもどろうか。おくるから。」
女「…ふぁ…ふぁい」
そう言って鍵をとりだすうさぎちゃん。
でも鍵を出したところで安心したの、かまた眠ってしまった。
好都合だ。もともとうさぎちゃんはこの部屋においていくつもりだった。
なぜなら、隣の部屋には不審者がいるからだ。
うさぎちゃんが持っていた鍵をとり、俺は隣の部屋に向かった。
336 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 23:49:51.95 ID:
WxcP0Q4+O
ドアの前、俺は立ち尽くしていた。
中には得体の知れない奴がいる。
嫌な汗が流れる。
そういえば、うさぎちゃんと最初に合ったときも似たような気持ちだった。
隣に住む、不気味な女。
実際にうさぎちゃんの姿を見るまでそんな気持ちだったのだ。
今では、うさぎちゃんは俺にとってかけがいのない存在だ。
それが見知らぬ不審者によって脅かされそうになっている。
今の俺の気持ちは、得体の知れないものへの恐怖より、
怒りが勝っていた。
338 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 23:54:39.68 ID:
WxcP0Q4+O
決意を固め、ドアを開ける。
どうせなら、こんなかたちでうさぎちゃんの部屋には入りたくなかったのだが。
うさぎちゃんの部屋
そこには無駄なモノは一切無かった。
テーブルが真ん中にあり、洋服棚
あとはとくにモノは無い。
キッチンも、調理器具もほとんど戸棚にしまっているらしく
ガスコンロがおいてあるだけにしか見えない。
そして誰もいない。
340 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/28(月) 23:57:36.16 ID:
WxcP0Q4+O
押し入れ、洋服棚、
人が隠れられそうなところは全部探した。
だが、人がいた痕跡すら見つけられない。
どういうこてだ?さっきのは見間違いなのか?
342 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/29(火) 00:00:28.13 ID:
jHofdU3AO
何気なく、うさぎの穴を覗いてみた。
俺の部屋が見えた。うさぎちゃんがすやすやと眠っている。
先程、ここから覗いていた奴はもう逃げてしまったのだろうか?
ここにいてもどうしようもない。
俺は自分の部屋に戻ることにした。
345 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/29(火) 00:03:42.06 ID:A/q9eXhU0
だんだん都市伝説臭くなってきた・・・・・・・・・・ゴクリ
346 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/29(火) 00:03:57.19 ID:
jHofdU3AO
うさぎちゃんが眠っている。
今起こっていることを知らず、安心しきった様子だ。
これでいい、うさぎちゃんを無理にこわがらせる必要は無い。
今日のところはうさぎちゃんには俺の部屋で寝てもらおう。
あの部屋は危険だ。
347 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/29(火) 00:04:36.79 ID:n/bmvsgg0
それも危険だw
348 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/29(火) 00:07:34.06 ID:
jHofdU3AO
うさぎちゃんを抱え上げ、ベッドに運ぶ。
うさぎちゃんは嘘みたいに軽かった。
俺は床に寝ればいい、ただそれだけのことだ。
うさぎちゃんをベッドに運び終わり、もう一度うさぎの穴を覗く。
………だれなんだお前は
⇒続きを読む
スポンサーサイト